続きもの「決める役と作る役を分けている話」の第2本です。第1本は決める役と作る役を、なぜ分けているか

先に結論です。チャットのAIに貼る「決める側の決まり」は11行。1行ずつ出所を調べたら、5回の事故から生まれたのは2行でした。その2行はどちらも「作る役のAIは、ぼくとチャットの会話を読めない」への対処です。残りの9行は、前からあった方針の写しか、出所を残していなかった行でした。

やったことわかったことつまずき
「決める側の決まり」11行の出所を、1行ずつ記録から調べた事故から2行・前からの方針の写し4行・9月9日に型を決めたとき3行・出所を追えない2行「決めたことは日付つきで残す」とは決めていたが、「なぜその行か」は残していなかった

決まりの全文

9月10日に決めて、9月11日に公開したものと1字も違いません。

# 決める側の決まり

これ以降、コードを書く側のAIに渡す作業は、すべて「指示書」の形で出してください。決まりは次のとおりです。

## 指示書の形
- 見出しは固定: 目的/前提確認/やること/やらないこと/[要確認]の扱い/確認の方法/停止点(1回)/報告項目
- 1つの指示書に成果物は1つ。範囲は「やらないこと」で切る
- 材料(原稿・画像・数値)は必ずリポジトリ内のファイル名で指定する。「添付」「前のメッセージ」「上で決めた内容」と書かない。コード側はこのチャットを読めない
- 同じ作業への追記は「追記1」「追記2」と番号を振り、追記だけでなく指示書の全文を出す

## 判断の置き方
- 最終判断は人がする。公開・送信・削除につながる作業は、人の「承認」を待って止まる形で出す
- 人が理解していない語や手順を指示書に入れるときは、1行で補足する。理解していないまま進めない
- 頼まれた内容の前提に疑問があれば、指示書を出す前に言う。賛成できないときは賛成しない
- 確認できないことは断定しない。「未確認」と書き、推測なら「推測」と書く
- 決めたことは日付つきで1行残す

## 承認のあと
- 人が「承認」と言ったら、修正点を含めた承認の文を、コード側にそのまま貼れる形で出す

ファイルは github.com/mhitori/haif-tools に、貼り方はツールのページにあります。

11行はどこから来たか

見出しを除いた本文は11行です。1行ずつ、いつ・何があって入ったかを記録から引きました。

決まりの本文11行の出所の内訳。事故から2行、前からの方針の写し4行、9月9日に型を決めたとき3行、追えず2行
決まりの本文11行の出所の内訳。事故から2行、前からの方針の写し4行、9月9日に型を決めたとき3行、追えず2行
#行(要旨)出所理由の記録
1すべて「指示書」の形で出す追えずなし
2見出しは固定9月9日に指示書の型を決めたとき型はあるが、なぜこの見出しかの記録はなし
3成果物は1つ。「やらないこと」で切る9月9日に指示書の型を決めたとき「やらないこと」はあり。「成果物は1つ」はなし
4材料はファイル名で指定する。「添付」「前のメッセージ」と書かない事故(8月31日・9月9日×2)あり
5追記は番号を振り、全文を出す事故(8月30日・9月5日)あり
6最終判断は人がする。承認を待って止まる前からの方針(8月に決めた「人が承認するまで公開しない」)あり
7理解していない語は1行で補足する前からの方針(記事の書き方の決まり「専門用語は初出時に一言補足」を、指示書にも使った)あり
8前提に疑問があれば、指示書を出す前に言う追えずなし
9確認できないことは断定しない前からの方針(企画書の「事実と推測を分ける」)あり(日付なし)
10決めたことは日付つきで1行残す前からの方針(企画書の「決定記録」)あり(日付なし)
11承認の文を、コード側に貼れる形で出す9月9日に指示書の型を決めたとき型はあるが、理由の記録はなし

内訳は、事故から2行(#4・#5)、前からの方針の写し4行(#6・#7・#9・#10)、9月9日に型を決めたとき3行(#2・#3・#11)、出所を追えない2行(#1・#8)です。

9月9日は事故が2回あった日で、その夜に指示書の型を決めています。事故の直後に書いたこと以外、確かめられるものがありません。

5回の事故は、1つのことに帰る

第1本で「引き継ぎの事故が5回」と書きました。1件ずつ引き直すと、届かなかったものは2種類でした。

何が起きたか届かなかったもの
8月30日チャットで直した指示書が届かず、直す前の版のまま作業が進んだ前の指示
8月31日原稿を添付したつもりが、作る側では開けず、作業が止まった材料
9月5日「追記2」だけを別のセッションに貼った。作る側は「追記1」を知らないまま、前回の報告から推測して実行した前の指示
9月9日承認の番号を空欄のまま渡した。作る側は書き直しまで進め、番号を求めて止まった材料
9月9日指示書の中で「前のメッセージのブロック」を参照した。作る側にはそのメッセージが無く、貼り直しを求められた材料
決める役のAI・ぼく・作る役のAIの3者。ぼくと決める役は会話で、ぼくと作る役は指示書とファイルでつながる。決める役から作る役へは届かない
決める役のAI・ぼく・作る役のAIの3者。ぼくと決める役は会話で、ぼくと作る役は指示書とファイルでつながる。決める役から作る役へは届かない

2種類ですが、根は1つです。作る役のAIは、決める役のAIとぼくの会話を読めない。 ぼくがチャットの画面を見ながら「上で決めたとおり」と書くと、作る側には「上」が存在しません。5回とも、ぼくがそれを忘れたときに起きています。

表の#4「材料はファイル名で」が材料への対処、#5「追記は全文で」が前の指示への対処です。どちらも「チャットに書いたものを、作る側が持っていると思わない」を、書き方の決まりに直したものです。決まりの本文にある1文──「コード側はこのチャットを読めない」──は、この5回の要約です。

「なぜ」を残していなかった

決まりを決めたことは、日付つきで記録にあります(9月10日に承認、9月11日に公開)。「決めたことは日付つきで1行残す」は守っていました。

守っていなかったのは、その先です。何を決めたかは残したが、なぜその行かは残していなかった。 だからこの記事を書くのに、11行のうち5行は、記録ではなく記憶と前後関係から出所を推し量ることになりました。「日付つきで1行残す」だけでは、あとから理由をたどれない。この記事が、11行の理由を置く最初の記録です。

決まりを公開してからの5日間

8月30日から9月15日までの時系列。事故5回、9月9日に型、9月10日に承認、9月11日に公開、9月14日に守れなかった1件
8月30日から9月15日までの時系列。事故5回、9月9日に型、9月10日に承認、9月11日に公開、9月14日に守れなかった1件

9月11日に公開してから今日まで、この決まりで事故を防いだ記録は、ぼくの手元にありません。

「防いだ」と書けない理由は2つあります。

  • 事故が起きなかったからといって、決まりのおかげとは言えない
  • 事故はそもそも記録に残りにくい。上の5回のうち、8月30日は直す前の版で進んだ差分がどこにも残っておらず、8月31日は作業が止まったのでコミットも残っていない。「事故が無かった」と「記録に残らなかった」は、ぼくの手元では区別できない

逆に、決まりを守れなかった記録は1件あります。チャット側、つまり決める側のぼくです。

  • 9月14日: 承認済みだった投稿の予定を、チャット側の案で動かしてしまった。「最終判断は人がする」に反していて、翌日「承認した予定はチャットから変えない」と決め直した

決まりを貼った側が守れていない。それが、5日間の記録の中身です。

実物: 決まりを貼ったあとの指示書(抜粋)

9月11日、第1本とツールを公開したときの指示書から、決まりの形が出ている4箇所を抜き出しました。内部のファイル名は言い換えています。

■ 前提確認(読んで結果を報告に含める)
- ルートに 第1本の原稿ファイル(冒頭に版番号と、承認済み 2026-09-11 の明記)
- captures/ に 画像2枚と録画の元ファイル。無いものは[要確認]で報告し、記事とツールページは先に組む
- 下書きの置き場に chat_side.md・claude_md_block.md・README.md
- 素材のメモに、以前のつまずき記録

■ やること(一部)
- 「事故5件」の日付(8/30・8/31・9/6・9/9×2)を素材のメモと照合。違えば本文を直さず[要確認]で報告

■ [要確認]の扱い
埋めず残し、報告に理由を書く。画像・録画が無い場合も同じ。

■ 停止点(1回・push前。公開リポジトリへの push も同じ承認で)

■ 報告項目
変更ファイル一覧/前提確認の結果/[要確認]の有無と根拠/事故5件の日付の照合結果/録画の検査結果と mp4 の所在/リント・ビルドの結果/第1本・ツールページの本番URL(予定)/予約した投稿3本のID/スクショの所在

「やること」の中の日付は、ぼくが書いた時点で1つ間違っていました。9月6日ではなく9月5日です。作る側は本文を直さず[要確認]で返し、ぼくが確かめて直しました。第1本に載っている日付は、直したあとのものです。

この続きものの残り

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