作る側の決まり ── AIが1日に3回止まった。3回とも、なぜ作ったか書いていない行だった
結論を先に。 作る側のAIに渡している決まりは12行あり、そのうち7行は「なぜこの行を作ったか」を書いていない。9月17日、作る側は3回止まった。3回とも、その7行のどれかに当たった。
| やったこと | 結果 | つまずき |
|---|---|---|
| 作る側の決まり12行の出所を、決定記録と過去の記事から1行ずつ調べた | 事故から生まれた行 2、前からの方針 3、出所を書いていない行 7 | 出所不明の7行は、9月10日に「まとめて」決めたときの理由が記録に残っていなかった |
| 同じ日に作る側が止まった3件を、12行のどれに当たるか照合した | 3件とも出所不明の7行の中(6行目・10行目・12行目) | 事故から生まれた2行は、この日は1度も引っかからなかった |
決まりの置き場所
前の記事で書いたのは、決める側のAI(チャット)に最初に1回貼る決まり11行でした。今回は作る側です。
作る側のAIは、作業リポジトリ(コードの保管場所)の設定ファイルに書いた文を、毎回の作業の前に読みます。ぼくはそこに12行の決まりを1回だけ貼っています。ファイルは公開しています(github.com/mhitori/haif-tools/tools/code-brief)。
12行は3つに分かれています。
- 作業の前(4行): 前提確認を実際に読む/存在しないものを参照していたら止まる/前提と実物が違ったら作らずに報告する/差分だけ渡されたら全文を求める
- 作業の中(3行): 分からない値は推測で埋めず[要確認]を残す/範囲外のファイルは触らない/成果物が変わるほどの不明点だけ実装前に質問する
- 止まる・報告する(5行): 停止点は公開の直前の1回だけ/報告に必ず含める5項目/人が読める言葉で書く/実名・私用情報を書かない/公開済みのものは消さず訂正を追記する
出所を調べた
前の記事で、決める側の11行は「事故から生まれたのは2行」でした。同じ調べ方を作る側の12行にしました。決定記録、運用の決まり、前の記事の3つを見て、行ごとに「いつ、何があって、この行になったか」を探しました。
| 行 | 決まり(要約) | 出所 | 生まれた日 |
|---|---|---|---|
| 4 | 前提確認を読み、結果を報告に含める | 不明 | ─ |
| 5 | 存在しないもの(添付・前のメッセージ)を参照していたら止まる | 事故 | 2026-08-31・2026-09-09 |
| 6 | 前提と実物が違ったら作らずに報告する | 不明 | ─ |
| 7 | 差分だけ渡されたら全文を求める | 事故 | 2026-08-30・2026-09-05 |
| 10 | 分からない値は推測で埋めず[要確認]を残す | 不明 | ─ |
| 11 | 範囲外のファイルは触らない | 不明 | ─ |
| 12 | 成果物が変わる不明点だけ実装前に質問する | 不明 | ─ |
| 15 | 停止点は公開の直前の1回・承認なしに公開しない | 前からの方針 | 8月(前の記事の「8月に決めた」による) |
| 16 | 報告に必ず含める5項目 | 不明 | ─ |
| 17 | 人が読める言葉で書く・専門用語は一言補足 | 前からの方針 | 記事の書き方の決まりの流用 |
| 18 | 実名・ホームフォルダ名・私用メールを書かない | 不明 | ─ |
| 19 | 公開済みのものは消さず訂正を追記する | 前からの方針 | 訂正の決まりの流用 |
事故から生まれた2行(5と7)は、前の記事の決める側の行と同じ事故です。8月30日にチャットで直した指示書が作る側に届かず、直す前の版で進んだこと。8月31日に原稿を添付したつもりが、作る側では開けなかったこと。9月5日に「追記2」だけを別の作業に貼って、作る側が「追記1」を知らないまま進めたこと。9月9日に「前のメッセージのブロック」と書いて、作る側に無かったこと。決める側には「材料はファイル名で指定する」の行が入り、作る側には「無ければ止まる」の行が入りました。同じ事故の両面です。
出所を書いていない7行は、9月10日に12行をまとめて決めたときに入った行です。その日の記録にあるのは、決まりを2本(決める側・作る側)にすると決めたことだけで、行ごとの理由がありません。ぼくが決めたことは間違いないのですが、なぜその行が要ると思ったのかは、今は記録から追えません。
9月17日、3回止まった
この記事を書く前日、作る側は1日で3回止まりました。どれも「作らずに報告して止まる」の形で、ぼくが値を出すまで動きませんでした。
| 止まった件 | 何が無かったか | 当たった行 |
|---|---|---|
| 判定の記帳 | 記帳に要る「チャットの推奨」と「理由」の値が指示書に無かった | 10・12 |
| 参考欄3件の記帳 | 記帳に要る検索語が、朝の作業表のその欄に出ていなかった | 6・10 |
| リポジトリの説明文の設定 | 指示書が前提にしていたコマンドラインツール(gh)がそのPCに無かった | 6 |
3件とも、出所を書いていない7行のどれかでした。事故から生まれた2行(5・7)は、この日は1度も引っかかっていません。
1件目は、推測で埋めれば1分で終わる作業でした。作る側は埋めず、「推測では埋めません」と書いて止まりました。埋めていたら、判定台帳に「ぼくが言っていない理由」が残っていました。2件目は、止まったことで「その欄には検索語が一度も出ていなかった」と分かり、翌朝から出るように直しました。3件目は、無いツールを無いと言っただけです。3件とも、止まらなければ気づかなかったことでした。
実物
実物1: 作る側の決まりの設定ファイル(公開リポジトリの画面)

実物2: 9月17日の作る側の報告のうち、1件目の「止まった」箇所(内部語をマスクした画面)

決める側と作る側の対応
決める側11行と作る側12行を並べると、10組が対になっています。
| 決める側(前の記事) | 作る側(この記事) |
|---|---|
| 見出しは固定(前提確認・停止点・報告項目) | 前提確認を読み結果を報告に含める/報告の5項目 |
| 成果物は1つ。範囲は「やらないこと」で切る | 範囲外のファイルは触らない |
| 材料はファイル名で指定する | 存在しないものを参照していたら止まる |
| 追記は番号を振り、全文を出す | 差分だけ渡されたら全文を求める |
| 最終判断は人。承認を待って止まる形で出す | 停止点は1回・承認なしに公開しない |
| 理解していない語は1行で補足する | 専門用語は一言補足する |
| 前提に疑問があれば指示書を出す前に言う | 前提と実物が違ったら作らずに報告する/不明点は実装前に質問する |
| 確認できないことは断定しない | 推測で埋めず[要確認]を残す |
作る側にだけある行は2つです。実名や私用情報を報告に書かないこと。公開済みのものを消さないこと。どちらも「作る側が直接ファイルに触る」から要る行で、決める側には触るものがありません。

ぼくが取り違えていたこと
前の記事を書いたとき、ぼくは「事故から生まれた行が、効く行」だと思っていました。事故の記憶があるから守られる、と。
今回の数字はそうなっていません。事故から生まれた2行は今週1度も引っかからず、出所を書いていない7行が3回止めました。ただし、これは「事故由来の行が効いていない」ではありません。5と7の事故は、9月17日には起きていない。起きなかったのは、行があったからかもしれないし、たまたまかもしれない。3件で決められる話ではないので、断定はしません。
分かったのはひとつだけです。効いた行の理由を、ぼくは書いていなかった。次に12行を見直すとき、7行のどれを消していいか、ぼくには判断する材料がありません。この記事が、その7行の出所の代わりになります。
次
第4本(最終話)は、この2本の決まりを使った「ぼくの1日の使い方」です。
2026-09-21 追記: 第4本(最終話)へのリンクを足しました。本文は変えていません。
続きもの「決める役と作る役を分けている話」全4本
- 第1本決める役と作る役を、なぜ分けているか
- 第2本決める側の決まり ── 11行のうち、事故から生まれたのは2行
- 第3本作る側の決まり ── AIが1日に3回止まった。3回とも、なぜ作ったか書いていない行だったこの記事
- 第4本AIは前の日を覚えていない。だから毎朝、決める側のAIに1枚貼る ── 決める役と作る役・最終話
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